文部科学省が、小五と中二を対象に四-七月に行う「全国体力・運動能力、運動習慣調査」をめぐり、道内の学校現場が対応に苦慮している。都道府県教委を通じ市町村教委や学校に通知されたのは三月に入ってからと唐突な上、教師に負担が重くのしかかるためだ。現場への配慮に欠けた国の進め方に不満の声が上がっている。
「文書に二〇〇八年度から全校対象に実施と書かれていたが、(〇九年度からの)間違いではないか」。道教委に三月十四日に通知が届いた時、担当者は目を疑った。
混乱の一因は、文科省が年度開始直前の三月中旬に、各都道府県教委に実施要領を伝えたことだ。同省生涯スポーツ課は「国会で予算決定していなかったので遅くなった」と説明する。
調査対象は、小五と中二の全員計二百四十万人。道教委によると、道内の小学校の二割、中学校の五割が自主的に、同じ実技種目で体力テストを行っている。今回の調査の置き換えが可能だが、そのうち相当数が秋の実施なため、文科省が求める七月末までのデータ提出に間に合わないという。
札幌のある小学校校長は「やれと言えばすぐにできるほど学校経営が簡単だと思っているのか」とあきれる。体力テストは計測などに人手がかかり、簡単には日程に組み込めない。この校長は「他学年の先生に手伝いを頼む必要もある。年間計画の練り直しを今から行えと言うのか」と不満をあらわにする。
道内の学校では、授業時間を一割増やす新学習指導要領の一部前倒しや、学力向上策として放課後や夏休みなどの補習拡充などで、教員は多忙化の一途。文科省は現場の負担軽減に取り組んでいるが、札幌の中学校の四十代教諭は「調査が増えればまた残業が増える。文科省のやることは実際には逆のことばかり」と不信感を募らせている。
来年度以降の継続について、渡海紀三朗文部科学相は四日「状況を見て判断する」と検討の余地も示した。東大大学院の佐藤学教授(学校教育学)は「現状をとらえるなら抽出調査で十分」と指摘し「子供一人一人への指導は国がやらなくても、学校が体育の授業を通じてきめ細かくやれば済む」と調査に疑問を投げ掛ける。
(北海道新聞より引用)
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